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2011/02/19

「ホンモノの海賊」になるということ ― 『世界史をつくった海賊』

今、君はやりたいことがありますか?
なくてもいい。
今はまだ、やりたことが見つかっていなくてもかまいません。
卒業するまでに、やりたいことを見つけることができれば、
君の夢は必ずかないます。

― 中谷彰宏『大学時代しなければならない50のこと』




世界史をつくった海賊 (ちくま新書)世界史をつくった海賊 (ちくま新書)
(2011/02/09)
竹田 いさみ

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第1章 英雄としての海賊―ドレークの世界周航(貧しい二流国からの脱却;“海賊マネー”で国家予算を捻出 ほか)
第2章 海洋覇権のゆくえ―イギリス、スペイン、オランダ、フランスの戦い(勝利の立役者としての海賊;無敵艦隊との戦い―スパイ戦 ほか)
第3章 スパイス争奪戦―世界貿易と商社の誕生(貿易の管理と独占の仕組み;魅惑のスパイス貿易 ほか)
第4章 コーヒーから紅茶へ―資本の発想と近代社会の成熟(コーヒー貿易と海賊ビジネス;覚醒と鎮痛のドリンク ほか)
第5章 強奪される奴隷―カリブ海の砂糖貿易(甘いクスリ―砂糖の登場;イギリスと奴隷貿易 ほか)





海賊になりたい! ― そんな淡い夢を幼い頃に持っていた気がする。きっかけは『ピーターパン』に出てくるフック船長か何かに影響されて。


保育園に通っていた頃に思い浮かべていた夢だったから、一応は大学を「卒業するまでに」やりたいことを見つけていたことになる。だから中谷氏の考えでいけば、私の夢は必ずかなう「はずだった」。


まぁ、結局はどうであったのか、無論言う必要はあるまい。


そして十年以上もの時を経てのこと。昔、バイト先の上司が、(一人前の大人でありながら)海賊になりたいという夢を私に語ってくれた。それも結構、神妙な顔で。あれにはたいそう驚かされた。


「ああ、コウイウ人もいるんだなあ」


彼は今でも、その夢を捨てずに持っているのだろうか。今度会えたら聞いてみたい。







本書は実在した海賊を紹介し、いかにして彼らが世界の歴史を変えたかを教えてくれる本である。


が、中身はそれだけには留まらない。


この本は、私の元バイト先の上司のように、イイ歳をした大人でありながら「未だに」海賊になりたいという、淡い野望を捨て切れないでいる人へ、「ホンモノの海賊になるとはどういうことか」という問いを、実例をもとにしたケーススタディー方式で突き立ててくる本でもあるのだ。ちなみに著者は海賊ではない。


ここでいう海賊とは、荒れ狂う海を乗り越え、時には敵の船を襲い、時には東インド会社を作り、時には保険会社で有名なロイズに絡み、時には国家のために命を賭けて闘う、「ホンモノの海賊」である。


「じゃあ、“ニセモノの海賊”なんてのもいるのかよ」



いる。



それは、以前の私であり、私の元バイト先の上司であり、イイ歳をした大人でありながら「未だに」海賊になりたいという、淡い野望を捨て切れないでいる人たちである。こういう人たちは、(私が定義する限り)「ニセモノの海賊」である。


「ニセモノの海賊」は夢想家である。薄弱な理想家である。だから、「ニセモノの海賊」たちはきちんと本書を読んで「ホンモノの海賊」を知り、某有名錬金術師の言う「格の違いってやつ」を感じなければいけない。


そして(本当はこっちの方が大切なのだが)「なりたい」と「なれる」は違うということ、「やりたいこと」と「できること」は違うということを理解しなければならない。


聞いた話なのだが、とある予備校で世界史を教えている先生が、生徒から「先生。ボク、メシアになりたいんですけど、どうしたらなれますか?」という質問を受けたらしい。(その生徒は本気だったそうだ)


だが、その先生はその生徒の考えを尊重しつつも、「なりたい」と「なれる」は違うことだと、ちゃんと諭したのだという。


その通り。「なりたい」(やりたいこと)と「なれる」(できること)は違うのだ。


そのふたつが一致すれば、最高ではあるのだが。
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