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2014/02/19

勉強は必要だと思うよ? ― 『資格を取ると貧乏になります』

資格を取ると貧乏になります (新潮新書)資格を取ると貧乏になります (新潮新書)
(2014/02/15)
佐藤 留美

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個人的にだが、近頃、この本に代表されるような「資格・スキル無意味」論をよく耳にするようになった。「巷にあふれる民間資格・スキルの勉強なんかやってもムダ。結局は実務が一番大切で、それは目の間にある仕事をこなすことなのだ」といった主張だ。

「実務が重要」というのは確かにその通りである。しかし、わたしは巷にある民間資格やスキルは「実務をサポートするための補助知識」あるいは「今こなしている実務をより広い視野で眺めるための“道具”」といったように考えている。だから、「資格・スキルの勉強などやってもムダだし、無意味」といった言い分には賛成しかねる。

もちろん、本業の実務に支障が出るくらい、資格・スキルの勉強をやるのは本末転倒だ。だが、時間と体力が許す限り、こうした勉強はむしろ多いにやるべきではないか?

矛盾するようだが、実はこの著者も前著『なぜ、勉強しても出世できないのか?』で、こう書いている。

ここまで、資格取得に対して否定的な意見ばかり書いてきたが、もちろんすべての資格取得、スキルアップを否定しているわけではない。自分の専門性をより深く追求するための資格取得やスキルアップなら、仕事に差し障りのない範囲であれば、むしろトライすべきだろう。(p.222)

弁護するつもりはないが、彼女も資格・スキルの勉強はまったくダメだとは言っていないのだ(本書を読んでいると誤解しやすいが)。それに、なにも特定の資格・スキルの勉強に限らず、仕事の「幅」や仕事に対する「考え方」を広げたいのなら、勉強はむしろ推奨されて然りだと思う。

よく、なにかにつけて「勉強よりも実務が大事だから~」などと言ってくる人は、一見すると仕事熱心のように見える。だが、実は「実務さえこなしていればそれでいい(=仕事(実務)外のところで、仕事に関係することなど考えなくてよい)」と思っている場合が少なくない。そういう人に限って、実務はできても物の見方には乏しかったり、実務外のこととなると、著しく教養が欠けていたり、思い込みが激しかったりする(以上はわたし個人の経験談)。

実務ばかりこなすということは、その実務「しか」見えなくなる、ということでもある。つまり、視野がせまくなる、ということだ。視野のせまい人に、革新的なアイデアや仕組みなど生めるはずもない。他人とは違った視点で物事を見ることもできない。「もっと効率的に、無駄なくこなす方法はないか?」と探ることもしないだろう(なぜなら、探ることよりも実務をこなすことのほうが「効率的だ」としか思っていないから)。実務ばかりこなすこと/重視することの弊害は、まさにこうした点にあるのである。

そういう弊害が「実務こそすべて」といった考えにあるのなら、それを払拭するために資格やスキル、あるいは読書といった、自分を高める勉強をすることは、むしろ立派なことだ。本業ですぐ「ガス欠」にならない程度に頑張ってみることは大いに必要だと思う。

ということで、本書のタイトルに付け足しするとしたらこうなるだろうか――『資格を取る(勉強ばかりしている)と、(本業で体力がもたずに失敗し、失業して)貧乏になります』――う~ん、ちょっと長過ぎる。。。
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