--/--/--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2014/04/09

【歌舞伎座】鳳凰祭四月大歌舞伎(夜の部)

kabukiza_201404f.jpg


初めて歌舞伎座の1等席(18000円)に座った。
いままでは、ずっと3階席(6000円)から芝居を見ていたのだが、今回は奮発してみた。

で、気づいたのだが、1等席の舞台正面・花道付近の席というのは、予想以上にものすごい感動と興奮を与えてくれるのだ、ということ。もうこの事実を知ってしまった以上、これからは3階席で見ようなどとは思えなくなってしまった。

まず、今月の夜の部を舞台正面付近の1等席で見れば、1幕目『一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)』で、吉右衛門の「バカ殿」っぷりが楽しめる。そうかといって、おマヌケな顔した吉右衛門が出てきたと思ったら、彼の横では芝雀の美しい舞踊が披露される。それに狂喜する、ニンマリ顔の吉右衛門。「?」と思ったら、ぜひ歌舞伎座の1等席に座るべし。この演目、コメディーチックな部分があるものの、非常に奥の深い芝居なのである。

ちなみにイヤホンガイドの解説は、おくだ健太郎氏が務めている。個人的に思っていることだが、解説員の中では、氏の解説が一番わかりやすい。解説を入れるタイミングも実に見事で、解説を聞くことにとらわれて演目に集中できなくなる、といったことがまずないのだ。声も聞き取りやすく、この解説を聞くためだけにイヤホンガイドをレンタルするのもアリだと思う。

2幕目は『女伊達(おんなだて)』だ。主役は、萬屋を代表する女形の巨匠・中村時蔵である。この演目は、まさに「歌舞」伎で、文字通り、「歌」と「舞」しかなく、物語の要素はない。しかもすぐに終わる(20分程度?)。が、わたしはこういうのが大好きだ。歌舞伎の醍醐味は、物語の面白さとか理屈よりも、まずは見た目や様式美だと思う。

この2幕目ではイヤホンガイドを聞かないことをオススメしたい。全然耳に入ってこないし、そもそも解説自体いらない気がする。己がいま持っている感性で、素直に、理屈抜きで愉しむほうが健全だ。

3幕目『梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)』(髪結新三)は、正直に言うと、あまり面白くない。それでも見どころがあって、それがお熊役の中村児太郎である。素直に告白すると、彼の女形にはグッと来てしまった。思わず抱きたくなってしまうくらいに色っぽくていじらしかった。理想の女像である。

しかし、如何せん、出番が少ない。そのため、話題の中心的存在であるにもかかわらず、あまり舞台に出てこないのだ。そこが残念すぎた。


それにしても、歌舞伎というのは不思議なもので、見るたびに何かしらの面白い発見や感動が得られたりする。別に、日本の伝統芸能だから歌舞伎を特別視しているつもりはないが、これは本当に正直な感想だ。だから、高い金を払ってでも歌舞伎を見たくなるのだろう(第一、本当につまらなかったら何回も歌舞伎を見に行くわけがない)。

ちなみに、歌舞伎を見ていると、能も見たくなってくる。というのも、歌舞伎には能に対するオマージュがあり、例えばそれは「松羽目物」などに顕著に表れている。この2つは切っても切れない関係なのだ。

もし、日本の伝統芸能や文化に興味があるのなら、まずは歌舞伎から見るのがいいだろう。歌舞伎から徐々に能や文楽、日本舞踊や落語といった方面を開拓していくと、どれもこれも横のつながりがあるのだ、ということに気付かされる。こういうことが楽しめるようになるためにも、やはり歌舞伎を見ておくことは大変重宝するのだ。
関連記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。