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2014/04/25

歌舞伎案内のスゴ本――『歌舞伎の愉しみ方』

歌舞伎の愉しみ方 (岩波新書)歌舞伎の愉しみ方 (岩波新書)
(2008/11/20)
山川 静夫

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もうすぐでゴールデンウィーク――ということで、わたしは歌舞伎座と明治座、観世能楽堂でこの連休を過ごそうと考えている。伝統芸能にどっぷりと体を浸らせてもらう予定である。

ところで、伝統芸能というのはよく「敷居が高い」とか「難しそう」といった印象を持たれがちである。実際、その通りだ。敷居は高いし、すぐ観てすぐ楽しめるといったものではない。ある程度は「勉強」が必要だし、イヤホンガイドなしで十分に作品を味わうにはそれこそ歴史の知識、古語の知識、当時の風習・風俗の知識も必要になってくる。決してお気楽に観られるものではない。

とはいっても、歌舞伎、能、文楽など日本には色々な伝統芸能があるが、とりあえずこの3つに絞った上で話をさせてもらうと、この中でもっとも親しみやすいのは歌舞伎だ。なぜなら、歌舞伎が一番具体的で使われる言葉も現代に近いからだ。一方、能は抽象度が高いし、文楽は誰がしゃべっているのかわかりづらく、言葉もほとんどが古語。おまけに東京だとチケットがすごく取りづらい。

というわけで、「だったら、まずは歌舞伎を楽しんでみたい」という人にオススメなのがズバリ本書『歌舞伎の愉しみ方』である。著者は元NHKアナウンサーの山川静夫氏だ。

氏の文章からは、歌舞伎への愛と情熱が本当に滲み出ている。しかし、難しい話などはほとんど出てこない。「まあ、とりあえず歌舞伎、観てみようよ」といった、ゆるくやさしい感じだ。岩波新書だから一見小難しい印象を受けるかもしれないが、まったく小難しくない。

ここで本書から、気になった言葉を一部抜き出しておこう。

最初にこんなことを申し上げたのは、「歌舞伎をこう観なければならない」というきまりは一切ないのを強調したかったからです。(中略)他人の意見に左右されない自分なりの感性の尺度を持つことが、歌舞伎を愉しむ第一のコツかもしれません。(p.2)

よく、「歌舞伎はもともと庶民の娯楽だったのだから・・・」などといって、「だから歌舞伎は高尚でもないし、難しくないのだ」と言う人がいるが、それは昔の話であって、さすがに今の時代は当てはまらない。初対面の人に「趣味は、歌舞伎を見ることです」と言えば、たいていは「すごいですね」とか「高尚な趣味をお持ちなんですね」などと言われることがほとんどだろう。

しかし、氏の言うとおり、そんな歌舞伎だからといって、決して構えて観る必要はない。というのも、なにか「正しい見方」があるわけではないからだ。「歌舞伎のこういう部分は好きだけど、ここはあまり好きじゃない」というのだってアリだし、「この演目は自分にはわからないけど、あまり人気のない◯◯という演目は面白かった」と感じるのもアリだ。要は、「正直」であることが大事なのだと思う。

と、ここまで色々と述べてきたが、やはり最終的には「たくさん歌舞伎を観る」ことこそが、歌舞伎を大いに楽しめるようになる一番の近道だと私は思っている。本で勉強するのは、初めのうちは「ある程度」までに留めておいて、その後はひたすら見まくるのがいい。それも2、3階席ではなく1階席で、である。その方が、よく見えるし、よく「感動できる」のだ。不思議なもので、歌舞伎というのは、行くと毎回なにかしらの新しい「発見」があったりするのである。
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