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2014/07/19

【歌舞伎座】七月大歌舞伎(昼の部)

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今月の歌舞伎座はメンツとコンテンツが超豪華だ。海老蔵に、玉三郎に、中車(香川照之)。そして『浪花鑑』の通し狂言である。

というわけで、わたしは2階東の桟敷席でたっぷりと鑑賞させてもらった。できることなら、大向こうもやっちゃいたいくらいの気分だったが、それはよろしくない。だから、我慢して拍手。声援ならぬ“手援”である。

さて感想だが、個人的に見どころだなぁと感じたのは、玉三郎のお辰だ。追っ手から追われ身の磯之丞を守りたい一心で、焼けた鉄弓を顔面に押し付けて、わざと顔を醜くするという場面は、観ていて思わずジーンと来てしまった。他人のために、自らの身体を犠牲にしたのである。しかもその時の義太夫の語りがまた、なんとも味があって、たまらない。

そんなお辰っつぁん、舞台から立ち去ろうと花道を駆けていこうとすると、心配したお梶さん(団七こと海老蔵の奥さん役の人)が、サっと寄ってきて、「でもお辰さん、そんな顔になってしまって、徳兵衛さんに嫌われますまいな?」徳兵衛とは、お辰っつぁんの旦那さまのこと。それに対しお辰っつぁん、「こちの人が好くのはここじゃない。(心臓のあたりをポンと叩いて)ここでござんす!」と言い返す。

かっけえ・・・。ただそれだけだった。そのまま、花道をパァーと駆け足で駆けて行ってしまったお辰さん。かっこよすぎだった。もう、ただただ拍手した。拍手せずにはいられなかった。

お次は、本日一番期待していた市川中車こと香川照之。だが残念なことに、どう頑張っても、彼は「市川中車」ではなく「香川照之」になっていた。海老蔵との絡みの時も、完全に、あの「俳優・香川照之」となってしまっていたように思う。「あれ、これって歌舞伎だよね?」と言いたくなるくらい、中車は「中車」でなくて「香川照之」であった。

このとき感じたのは、テレビで大活躍している人気俳優だからといって、その人が「歌舞伎役者」として歌舞伎を「やれる」かというと、必ずしもそうではないのだな、ということ。無論、香川は「中車」を襲名している以上、「歌舞伎役者」であることは事実だ。しかし、歌舞伎を「やれる」から「歌舞伎役者」として客から認識されるわけで、「歌舞伎役者」として名乗りを上げたから、「歌舞伎役者」として客から認識されるわけではない。わたしには、どうしても彼が「俳優・香川照之」にしか見えなかった。

最後に、気付いたことをひとつ。歌舞伎をきちんと鑑賞するには、相応の体力と精神力が必要だ、ということ。これは毎度実感していたことではあったが、今日の帰り際、近くにいたおばちゃんたちが「歌舞伎って見る方にも体力が必要よね」などと話していたのが、いまでも頭の中に残っている。
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